朝食はパン派の我が家。目玉焼き、サラダと牛乳は共通で、パパはトーストにバターのみ。私はトーストにバターを塗り、その上から明治屋いちごジャム。娘はバターなしで半分にいちごジャム、もう半分にブルーベリージャム。あれから数年、娘は今ひとり暮らしをしている。あの頃の、明治屋ジャムのあった慌ただしい朝のひと時が懐かしい。ちゃんとあのハーフ&ハーフ、食べてるのかな。

小学校時代、母が作ってくれる朝食は焼きたての食パンに、明治屋のいちごジャムを付けたものだった。サクッとした食感に、いちごの芳醇な甘みがよく合い、いつも食パンをおかわりした。そのせいで、学校へはいつも遅刻寸前だった。あれから数十年。母も年を取り、物忘れが目立つようになった。だから、今度は僕が、母に焼きたての食パンを食べさせようと思う。少しでもあの頃を思い出せるよう、いちごジャムをたっぷりと付けて。

亡き母は美容師でした。月曜日が休みだったのでそれ以外の日は朝から忙しくよく働く母でした。ハイカラな母はパンが好きで朝食は食パンに明治屋さんのいちごジャムにサラダに目玉焼きでした。子供の頃から私はいちごジャムが大好きでもう少ししかないよ、買って来てが母との会話の一つでした。甘くていちごがたっぷりで大好きな味は今でも大好きです。私には息子がいます。彼もこのジャムが好きです。天国の母も喜んでいますきっと

薬を飲むのが嫌いだった弟に当時母が試したのが薬を明治屋のいちごジャムでコーティングして飲ませる作戦でした。作戦は成功しさらに「おかわり」と言ったのです。家族は大爆笑。そして今やはり薬が苦手な弟の息子である5歳の甥っ子に同じ作戦を試すと、難なくスムーズに飲んでくれました。そして一言「もうないの?」と。血は争えないと言うべきか最後は明治屋のジャムのおかげと言うべきか、ありがたく心温まる出来事でした。

「苺のジャムと言ったら明治屋さんよ。」母はそう言って、毎朝ニコニコしながら食パンに苺のジャムを塗りたくる。大きな口を開け、食パンにかぶりつく。もぐもぐと、まるで幸せをも一緒に噛み締めているかのような顔をしながら。本当においしい苺ジャムの味を教えてくれたのは、母と明治屋さんだ。私の人生に豊かさを与えてくれてありがとう。

2歳の息子が突然「まこちゃんも食べる!」と「つぶつぶいちご」を指さした朝。それまで何もつけていない食パンしか食べなかったので驚きながらも塗ってあげると、ぱくっと食べて「おいしい」とにっこり。「つぶつぶいちごだよ」と教えてあげると、それからお店や絵本で苺を見る度「つぶつぶいちご」と笑います。この先息子が大きくなっても、ジャムを見る度きっと幸せな朝を思い出します。

「あ、ばぁばのジャム!」息子がお店で手に取ったのは「つぶつぶいちごジャム」。ばぁばの家に行くといつも、「はい、ゆうひの好きな苺のジャム。」と言って「つぶつぶいちごジャム」を息子に手渡してくれます。だから、我が家ではいつの間にか、「ばぁばのジャム」と呼ばれるようになりました。その「ばぁばのジャム」を嬉しそうに食べる息子とその姿を嬉しそうに見るばぁば。私まで幸せな気持ちになります。

生きてると心がささくれ立つようなこともあるけれど、「自分の機嫌は自分でとれる人になりなさい。どんな時も“ご機嫌さん”でいられたら、それだけであなたも周りも幸せだから」。私がおチビの頃から、会うたび呪文のようにそう唱える彼女の“ご機嫌さん”のもとが、明治屋のジャムをたっぷり塗ったトーストをゆっくり味わうこと、だと知ったのはだいぶ後のこと。確かに、美味しそうな顔のご機嫌おばあは、孫の私をも幸せにする。

私は祖母に育ててもらった。祖母は5時に起きて家族の弁当を作り洗濯をし、ご飯に味噌汁に卵焼きの朝食を用意する。その後、自分のために一枚の食パンを焼く。珈琲の匂いをくゆらしながら、ゆっくりとジャムを付けて頬張る。「ばあちゃんのゆったり時間なんよ」と満足そうな顔。その姿が好きだった。私も今では同じ。朝の喧騒を忘れる緩やかな時間は食パンとジャムとコーヒーのハーモニーが奏でてくれる最高のゆったり時間だ。

介護施設に入所して数年になる祖父ですが、今年の夏は猛暑の影響もあり朝食があまり進まないようでした。何か食欲の出る食べ物はないかと思案していたところ、ふと彼の家の冷蔵庫にはつぶつぶいちごの瓶があった事を思い出しました。早速明治屋さんのジャムを購入し彼に瓶を見せると、目を細めて「おばあちゃんの好物やったね」と一言。そしてジャムを何度も舐めながら楽しそうに祖母との昔話をしてくれました。