メーカーズマーク・ニュースバー


   

(株)エヌ・エ・アイ
代表取締役ジェシー・ジェームス・オーナー 相崎正行氏


1941年、東京生まれ。立教大学法学部卒。79年に「ジャズとバーボンとアメリカ南部料理」をコンセプトにジェシー・ジェームス(JJ)を設立。88年から現在まで毎年バーボンの本拠地ケンタッキーを訪問。90年から95年にかけてはケンタッキーに現地法人を作り5年間居住。各蒸留所の人たちと親交を深めるなど日米バーボン界の橋渡し役として貢献。本拠地の東京・立川市で新たなコンセプトによる新店舗開店を準備中。



 いまやバーボンはアメリカ文化の一端を担う大きな存在として日本や世界でめざましく成長しています。なかでも、アメリカで一番小さな蒸留所でつくられるメーカーズマークの評価が高いのはなぜでしょう。
「一言でいえば正真正銘の本物だからです。厳選された原材料を使い、いまだに水道水ではなく自然に湧出る水だけを使い、均等に熟成させるために樽のローテーションをする。ものすごく丹念に、しかも全ての工程を手づくりでやる。これはメーカーズマークだけの独壇場です。だから評価が高い。そして凄いと思うのは、あらゆるバーボンメーカーが今、メーカーズマークの味を追っている」
 それはどういうことですか。
「バーボンというお酒は1964年に連邦アルコール法が制定されるまではどんな粗雑なものでもバーボンと称していた。
メーカーズマークはその10年も前に、この法律がめざすきちんとしたバーボンのあるべき姿を完成させていたんです。他のメーカーはこれに習ってつくり始めた。そして市場がスタンダードからプレミアムに移行するにつれ、各社が追求する味はますますメーカーズマークなんです。40数年前に完成された味が、現代に生きる人たちの舌を満足させている。サミュエルズ親子はまさに天才です」
 ビル・サミュエルズ・シニアがまずレッドトップを世に出し、今の社長のジュニアがブラックトップを開発しました。
「うちの店はブラックトップがハウスバーボンです。それはサミュエルズ・ジュニアが”21世紀の新しい時代の味”としてブラックトップをつくった。

我々の世代がいなくなった後でもブラックトップが世界中で支持されるバーボンになっていると。それが信じられる確かなクオリティがこの酒にはあると思えるからです」
 ケンタッキーでいまダービーに次ぐ人気のバーボンフェスティバルは相崎さんが生みの親とか
「うちではケンタッキーのバーボン蒸留所を訪ねるアメリカ・ツアーを10年以上続けていますが2000年9月のツアーで14回を数えます。当初、ツアーのケンタッキーでの最終日に各蒸留所の人たちや地元の知名士たちと交流するパーティーを開催していました。その第6回目からがバーボンフェスティバルになった。いまでは大きくなりすぎて仕掛け人の私のことなど忘れたようです」(笑)

[インタビュー:2000年4月19日]

 


   
「ケーシーズ」、「ハーツフィールド」、「ケーシーズクラブ」
オーナー 古賀正隆氏


1958年、長崎県佐世保市の医師の長男として生まれる。少年時代より佐世保の米軍キャンプ周辺が遊び場という環境に加え、16歳の時、ロサンゼルスにホームステイしたことを契機にジャズなどアメリカ文化に強く魅かれる。1985年、ジャズとバーボンの店「ケーシーズ」を福岡市中央区で開店。店名の由来は、米国TVドラマのDr.ベン・ケーシーとタレントのケーシー高峰にちなみ、佐世保時代に付けられた古賀氏のアメリカン・ネーム。


 ケーシーズはバーボン専門のお店として業界では屈指の存在です。置いてある銘柄も新旧とりまぜ、かなりの数とお聞きしますが、そのなかでメーカーズマークというバーボンはどんなポジションを占めているのでしょうか。
「メーカーズマークとは、ケーシーズ開店以来16年間付き合っていますが、当初から現在に至るまで、いつの時代もプレミアム・バーボンの代表として人気を呼んでいます。とくに、ブラックトップが発売されてからは人気のバロメーターがどんどん上昇しています」
 お客様はブラックトップのどこを気に入られてますか?
「バーボンらしからぬバーボンの味。今はMMの特長であるソフトでまろやかな味のバーボンが好まれる時代ですね。これは21世紀に入ってもしばらく続くというか、バーボンという酒そのもののイメージが大きく変わってきています。
その変革の旗手がメーカーズマークなんです。他のメーカーは、いまやMMに追い付け、追い越せと必死です」
 どのメーカーもMMを真似て同じような味のバーボンを作り始めたら特徴がなくなってしまいますね。バーボン専門店としては、それではちょっとお困りでは?
「いや、それは絶対に有りえません。他のメーカーが、MMと同じように穀物そのものから見直して、天然のライムストーン・ウォーターを使い、全ての工程を手づくりでやるのならMMに匹敵するものも或いは可能でしょう。しかし、こんなつくり方をするメーカーはもう出てこない、というか、出来ないでしょう。むしろ、これだけ人気が高いと、この先、仮にですが、MMの味が変わったりするとこれはもう震度6どころか、僕らにとっては大激震です。まあ、サミュエルズ社長は信頼出来る人物だからそんな事は起きないと思いますが」(笑い)

 古賀さんはここ数年、ケンタッキーのメーカーズマーク蒸留所を訪ねるツアーに毎年参加されています。時にはお店のスタッフも派遣されてますが、ツアーではどんな収穫が?
「1996年から数えて今年で5回目になりますが、具体的な収穫というより も、蒸留所に行き、その土地の風土を肌で感じ、つくっている人達と話しを交わすことで、その酒の原点みたいなものが分かるんですね。同時に、こちら側の売り手としての心意気も伝わる。スタッフのバーテンダーにとってはこんな経験は宝物を得たようなもので、それが結局、店にとっても大きな収穫です」

[インタビュー:2000年7月10日]