
アメリカ・ケンタッキー州中部のロレットに位置するメーカーズマーク蒸留所は、
バーボンの故郷ケンタッキー州のなかでいちばん小さく、
由緒ある蒸留所としてアメリカ合衆国の国定史跡に指定されています。
美しいヴィクトリア様式の蒸留所では、創業以来のポリシー「バーボンウイスキーは機械づくりではなく、人間により少量を手づくりですべき」を守り続けています。

ようこそメーカーズマーク・オンライン蒸留所へ。
ここでは、原料の吟味からボトリングに至るまで、ゆっくりと手間ひまかけたメーカーズマーク独自の製造工程をご紹介します。
多くのバーボンは、法律で定められたトウモロコシの比率51%をベースに、ライ麦、大麦麦芽を原料としますが、メーカーズマークはライ麦のかわりに冬小麦を使用し、口あたりがまろやかで、心地よい風味を醸しだしています。一般的に、ライ麦を使用したバーボンは舌にピリッと刺激を与えますが、メーカーズマークがあくまでも芳醇でまろやかな味なのは、原料である穀物の違いが大きな要素のひとつといえます。

洋の東西を問わず“水は優れた酒づくりの命の源”といわれます。良いバーボンにとって鉄分を含まない純粋な石灰質の湧き水は、必要不可欠な決定的要素です。ケンタッキーではこの特別な水のことをライムストーン・ウォーターと呼んでいますが、近年の大量生産志向と蒸留所の巨大化にともない、大部分の蒸留所が天然の湧き水では足りず、水道水や川の水に切り換えているのが実情です。自然に恵まれたメーカーズマーク蒸留所の広大な敷地内にある泉には、昔と変わらぬ天然のライムストーン・ウォーターがこんこんと湧き出ています。手づくりによる少規模生産に徹したため、泉を涸らすことなく、守り続けてこられたのです。“バーボンの命の水”、純粋なライムストーン・ウォーターをいまでも使用しているのはメーカーズマークだけです。そしてこの姿勢はこれからも変わりません。

厳選された穀物類は細かく砕かれ製粉されますが、他の蒸留所がハンマー式製粉機を使用しているなかで、メーカーズマークはいまだに旧式のローラー式製粉機でゆっくりと時間をかけ製粉しています。ハンマー式製粉機は収量が増えるなど効率的には良い反面、原料が焦げやすい危険性があり品質に悪影響をあたえます。せっかく厳選した穀類が焦げてしまってはバーボンの味が損なわれてしまいます。メーカーズマークがわざわざ旧式のローラー式製粉機を使うのは、良い品質の原料を焦がさないためなのです。
さて、いよいよバーボンづくりの核心に入る第一段階マッシング(モロミづくり)です。これは製粉した穀類を煮沸し発酵可能な状態にする工程で、このあとマッシュは大きな発酵漕に移され、秘伝のイースト菌(活性酵母)を加え発酵させます。マッシングでは、ほとんどの蒸留所が早く煮沸ができ、効率のあがる圧力釜を採用していますが、これはハンマー製粉機と同じように原料が焦げる危険があり、香りも損なわれます。メーカーズマークのマッシングは、蓋の無い釜で焦げないようにじっくりと時間をかけて行います。

メーカーズマーク蒸留所の施設の中でもシンボル的存在なのが、高さ11mにも及ぶ円柱形蒸留器です。発酵したマッシュ(モロミ)は蒸留所の最上階へポンプで汲み上げられ銅製のヒーターで温められた後、蒸留器の上からパイプで下へ流されますが、同時に蒸留器の底からは加圧された蒸気が吹き出し、上から隔壁板を通して落ちてくるモロミからアルコール分を抽出。気化したアルコールは蒸留器の上まで上昇し、冷却器を通り液体となります。さらにこれをダブラーと呼ばれる蒸留器で再蒸留し、気化したアルコールを65度の液体に仕上げ、不純な成分を取り除くなど味に磨きをかけます。これが無色透明の「原酒」とよばれるもので、他の蒸留所はこの段階で70度から75度の高い度数に蒸留しますが、メーカーズマークはあくまでも65度に押さえ、バーボン本来の味が損なわれないようにします。
さあ、大詰めの熟成(エイジング)の段階ですが、ここにもメーカーズマーク独自の手間ひまかけた工夫が凝らされています。ケンタッキーの夏は大変暑く、バーボンを熟成させるオープン・リック方式の貯蔵庫の上段と下段では大きな温度差が生じ、樽の中で眠りについているバーボンも、上と下では熟成のスピードが異なってしまいます。均質な良いバーボンを生み出すには、熟成度合をそろえる必要があります。そこでメーカーズマークでは、樽を上段から下段へ移動するローテーションを行いますが、この段階でひと樽ひと樽の栓が抜かれ、テイスティングして熟成の具合を確かめます。栓を容易に抜いたり閉めたりするには、堅くて膨張しにくい材質の栓でなければなりません。メーカーズマークが、他の蒸留所が使用しているポプラの栓(膨張しやすく容易に抜けない)に対し、唯一クルミの栓を採用している理由です。人の手によるこうした作業は時間とコストが膨大にかかるため、この作業を現在行っているのはメーカーズマークだけです。
熟成の長い眠りから覚めたバーボンは、一本一本ボトリングされる前に、良いテイストを決めるための調整作業を受けます。熟成されるまでの間、細やかな世話を均等に受けたバーボンですが、樽ごとに味わいは微妙に異なります。メーカーズマークにはこれをひとつの味にまとめる「味見をする部屋」が存在します。そこでは、舌が敏感な6人の女性と2人の男性たちが味の最終確認を行います。もし、この中のうちの3人から「このバーボンは若すぎる」とか「熟し過ぎている」という意見が出たら、その樽を調べ、若いバーボンには熟成度の高いバーボンを加え、熟し過ぎにはそれより若いバーボンを加えるというように、ひとつのテイストにまとめあげるのです。他の蒸留所のどこも行なっていない、これこそ“最後の世話”と名付けられたメーカーズマークの最高秘密なのです。


メーカーズマークのボトル・デザインで際立つのが、同じ形が2つとないワックス仕立ての封蝋です。これは、瓶詰されてラインを流れてくるボトルを1本ずつ手作業でワックスに浸し封蝋するという、まさに手づくりバーボンならではのシンボリックなデザイン・ワークです。封蝋するのは女性たちですが、それぞれの個性や右利きや左利きの人もいるため、仕上がりのパターンは2つとない形となるわけです。この作業はかなり非効率的ですが、ラインの速さがとてもゆっくりと流れるため、ボトル一本一本を人の目で丁寧に検品出来るという品質管理面での大きな効果をもたらしています。
メーカーズマーク・オンライン蒸留所ツアーはいかがでしたか?
メーカーズマークは“世界で評価される最高品質のバーボン”をめざし、1959 年秋、ビル・サミュエルズ・シニアによってこの世に誕生しました。
「良いバーボンは、機械ではなく人の手で少量を丁寧につくる」というポリシーは、いまも、そしてこれからも変わりません。このオンライン蒸留所ツアーを通じ、
メーカーズマーク独自のバーボンづくりへのこだわりをご理解頂けたら幸いです。
メーカーズマーク蒸留所では、随時無料の見学ツアーを行っております。
機会のある方は、ぜひケンタッキー州ロレットにあるメーカーズマーク蒸留所へお越し下さい。
心より歓迎いたします。
月〜土曜日(年中実施):10:00〜,12:30〜, 13:30〜,14:30〜, 15:30〜
日曜日(3月〜12月間に実施):13:30〜, 14:30〜, 15:30〜
定休日:1月〜2月の日曜日
正月、復活祭休暇、感謝祭休暇(11月下旬)、クリスマス休暇(12月下旬)
ビジターセンター住所
3350 Burks Spring Road, Loretto, Kentucky 40037
ビジターセンター電話
+270-865-2099
※蒸留所見学ツアーにつきましては、時間、定休日等が予告なく変更となる場合がありますので、お出かけの際は予めビジターセンターに確認のうえ、ご参加ください。